組織を動かせるマネージャーがやっている4つの下準備
リーダー・マネージャーの方は、組織として結果・成果を出すことを考えなければなりません。
私も立場上マネジメントについて考えることが多かったので、様々な書籍を読んだり先輩に相談したりとしたことがありますが、人間観察をしていてふと気づいたことがありました。
今回は「組織を効率的に回しているマネージャーがやっている準備」について気づいたことを書いて行きます。
内容としてはとても当たり前だったりします。
また私自身がクリエイティブ部門の責任者という立場もあり営業・セールスというよりはエンジニア・デザイナーに寄った考え方になってるかもしれないですがご了承ください。
目次
ビジョンの設定
組織をハンドリングする上で、組織ビジョンの設定はとても大切です。
KGI(Key Goal Indicator)を設定、KPI(Key Performance Indicator)をしっかり見ること、KSF(Key Success Factor)の確認もできるマネージャーさんは必ずやってますが、私が注目したのは組織を心情的に動かせるマネージャーさんがやってるビジョンの設定についてです。
どうしたいか?より「どうなりたいか?」
ビジョン設定に当たって、こんな風に目標を立ててませんか?
営業さんでは当たり前の目標の立て方で、とてもわかりやすくてシンプル。
数字での目標の立て方は職業によっては魅力に感じてもらえないこともよくあります。
エンジニアさんやデザイナーさんなど受け仕事の多い職業の方にも直接的な売上・利益の数値にココロ踊らない人も少なくないかもしれません。(もちろん企業・組織の体制によります)
もちろん数値での目標は必須ですが、「達成した後、どんな風になるのか?」「どんな風になりたいから達成するのか?」まで落とし込んで共有した方が人の心は動く気がしてます。
いい加減でも、ふざけてても良い
では組織を動かせるマネージャーさん達はどんなビジョンを掲げているのか?
先ほど「達成した後、どんな組織にしたいか?」まで落とし込んで共有するべきだと言いましたが、例えば「全社の利益の○○%を生み出せる組織にしよう!」とかはどうでしょうか?
悪くはないと思いますが、もっとフランクなものでも、ちょっとふざけたものでも良いと思ってます。
例えばこんな感じの目標はどうだろうか?
「モテモテに!」
・・・え? どういうこと? となるかもしれませんが、「こんなの達成できたら かっこいい! こりゃモテるよ絶対!」だから頑張ろう!なんてふざけたビジョンでも意外とその気になったりします。少なからず私はします・・・
まぁちょっとふざけすぎましたが大事なのは、それを達成したら こんな風になれる? なんて夢物語があるとちょっぴり任務が楽しくなるもんです。
- 給料が○○円Upするかも!
- 人に自慢できるサービスになる!
- 会社での組織の評価(権限)が上がって、もっと自由に面白いことができる!
- こんなのできるようになったら超かっこいいエンジニアになれる
こんなふざけたビジョンでもただただ予算の目標だけを伝えるより組織はまとまったりします。
組織のメンバーがどんな人材なのかを知る
組織のメンバーをよく知ることは、マネジメントをする上で必要不可欠です。
組織のメンバーがどんなタイプの人材なのかを知ることは、そして自分自身がどんなタイプの人材なのかを知ってもらうことでよりマネジメントを円滑にすることができます。
お互いを知ってもらう方法について
お互いを知って貰う為に、「コミュニケーションを頻繁にとる」とか「飲みに行って話を聞く」とか様々な方法がありますが、 中には「お酒が苦手」「コミュニケーションは苦手」なんて方も居たりします。
まず最初に性格診断のようなものを行なってメンバーのタイプを分析してみましょう。
DiSC理論・エゴグラムなど性格診断のようなものも多々ありますが、私個人としてはDiSC理論での分析が一番面白かったので簡単に書いてみます。
DiSC理論を簡単に説明
人の行動パターン・モチベーション・欲求などを分析して、自己と他者を理解するためのツール。人の行動傾向を否定的に判断せず、4つのタイプに分類することで、各タイプの好み・指向性・性質を知ることができます。
いわゆるマネジメント層向けに紹介されることも多いですが、メンバーに上司のタイプを知って貰うことで部下目線でも上司が扱い安くなると思います。
DiSC理論に関しては、様々なセミナーで知ったので正式な診断ツールを紹介できないのが残念ですが、簡易版を見つけたのでリンクを貼っておきます。診断ができるものを見つけたら是非お問い合わせから教えてください。
タイプ別に戦略を考える
メンバーそれぞれが違うタイプだった場合も、ほとんど同じタイプだった場合もあるかもしれません。
組織で最大のパフォーマンスを出すために、改めてタイプ別にマネジメント戦略を考えなければなりません。
ここではまず、「私はこうやって上司に育ててもらった」や「平等だからみんなに同じように接する」と言う概念を一度捨てることが大事です。
DiSC理論の結果からもわかるようにそれぞれの欲求・性格が違うので、課題の出し方も変わってきます。
例えば目標の持たせ方や注意点ならこんな感じ?タイプ | 目標の持たせ方 | 注意点 |
---|---|---|
D:主導タイプ | 成果を追う傾向があるので目標を高めに設定してみてもコミットする可能性が高い 期待をしていることをそのまま伝えるのもよし | 成果のためにアクセル全開になりすぎることがあるので、ブレーキ役が必要 |
i:感化タイプ | 難しいことでも強制をせず楽しませながらやらせて上げた方が成果が出やすい 中間地点での褒めや賞賛の言葉があるとなおよし | 単調な作業や期待の少ない業務を任せると失速しがちなので注意 |
S:安定タイプ | 極端にハードルの高い目標を持たせると逆効果 具体的な手段や方法を伝授するなど現実的に解決策を提示することで成長する | チャレンジ精神が少なく見えてしまうが、iのタイプと組ませてみると協力的に動いてくれる。 |
C:慎重タイプ | 慎重なので質問や確認が多くハードルの高い業務より、正確性が評価される目標が良い 目的を明確化することで期待を上回る成果をあげるが過度な期待はNG | 慎重型なのでDのタイプと一見相性が悪くみえるが、組織としては必要な組み合わせ。 ただしストレスのたまらないように組ませる必要がある |
大事なことは個人での目標の立て方と言うより、組織としての戦略の立て方です。プロジェクト毎にタイプ別の相性を考えて組み合わせるなど戦略を練る必要があります。
また「全員同じタイプで相性が良い!」と言うのも実は間違えで、
主導タイプのアクセルの踏みすぎを防ぐために安定タイプがブレーキをかけることも大事だったり、
Dのタイプのチャレンジ精神の強さにSのタイプがやられないようにiのタイプが盛り上げてみたりすることで組織としてのバランスが保てます。
また、主導型や感化型が居た方が組織を引っ張っていくきっかけになるのではないでしょうか。
組織のバランスを考えて採用をかけたり、プロジェクト編成をしたりするなどの戦略を立てていきましょう。
決断する覚悟を持つ
最後の一つは下準備と言うよりは心構えの話になってしまうのですが、マネジメントの役割を初めて任された時これが一番大変だと痛感しました。
リーダー・マネージャーの方の業務には必ず「決断を求められるタイミング」が存在します。
例えば・・・組織の課題設定の決断
1つ目に上げたビジョン・3つ目に上げた組織戦略についても同じですが、前例がない中でどうすべきか考える必要があります。
誰も教えてくれない中で方針を決断しなければなりません。
例えば・・・組織の課題と業績目標についての決断
エンジニア・デザイナーの課題として新しい技術の習得や、デザインやUI/UX目線での改修をする組織課題を立てたとします。
業績目標が確実に達成できそうな場合は問題ないのですが、目標達成が困難な場合 組織の課題より先に業績達成を求められる時があります。
せっかく決断してもまた決断を迫られてしまいますが、ここでも選ばなければなりません。
これは長期目線で取るか短期目線で取るかによっても変わってきますが、この決断の葛藤はかなり困難なものだと思います。
大事なのは最初から諦めないことと
2つほど例を書きましたが、どんな場合でも「どちらか」を選択しようとしないことも大事です。
例えどちらも選ぶことは困難だとしても、マネジメントする側が最初から諦めてしまわず「どちらも」手に入れるための道を考えることが大事です。
「どちらが優先度高いの?」と言う質問に対して「どちらも最優先だよ」と言うブラック感のある意味ではなくて、まずは模索すること。
それでもダメなら代替案を考えるようにすることも大切です。デザイン思考で考え発想を変えてみるのも良いかもしれません。
決断を恐れないこと
最後に、自分の出した決断を恐れないことです。
マネージャーもリーダーもただの人間です。間違えることもあります。
それでもメンバーはリーダー・マネージャーを信じてついてきてくれます。
「自信ないけどこれでいこう!」と言うマネージャーより「大丈夫! これでいこう!」と言ってくれる方が安心して業務に取り組めます。
大変責任のある決断ですが、不安がらずに自信を持って決断する覚悟を持ちましょう。
命を取られるわけじゃないし!
今回は下準備として4つ書きましたが、成果を出すために実践すべきことも多々あると思うのでいつの日か記事にしたいと思います。